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「社長のおみやげから写真の可能性を考える秋」

「社長のおみやげから写真の可能性を考える秋」

迷走するフォトスタジオ経営からの脱出」シリーズ007

writer < fhans yoshimi >

写真の置物は巡礼の道中で社長が買ってこられた道しるべのミニサイズの置物だそうです。ところどころにこのような道しるべがあり、目印として巡礼者たちが歩くんだそう(社長、合っていますか!?)

この置物は社長にとっては、とても価値があるものとなるはずです。眺めるたびに、旅の道中で出会った人との会話、匂い、失敗、考えたこと…などなど感じたものを鮮明に思い出すツールとなるからです。

こちらはホンモノの道しるべです

旅に行っていない私から見ると「かわいい置物だな」くらいの感覚ですが、それは社長にとってのこの道しるべへの想いと全く重みが異なることでしょう。

もし、この道しるべがデザイナーが手をかけて、本物とはちょっと違うデザインにスタイリッシュにアレンジされていたらどうなるでしょうか?もしかすると旅に行っていない私は「こっちの方がいいやん!」となるかもしれません。

では社長はどうでしょう。

アレンジされた道しるべを見て、歩いた時の気持ちや経験をリアルに思い出すことができるでしょうか?

デザイナーズ道しるべは、オシャレに部屋を飾るには優秀かもしれません。でも社長の経験を蘇らせるツールとしては、本物をリアルに表現されている道しるべの方が優れているんですね。同じ置物ですが、人に与える価値はずいぶんと変わってきます。

道しるべを写真に置きかえて考えてみてください。

着飾った自分たち家族の写真を見て、今の家族の姿や感じている想いを10年後、20年後にリアルに思い出すことができるでしょうか?

やっぱりそのままの姿の方が、たくさんの思い出を引き出してくれるはずです。

「デザイナーズ道しるべ」と「リアル道しるべ」のように、同じ写真でも「オシャレを目的とする写真」と「リアルな写真」は与える価値が全く変わって来ます。

オシャレな写真は人に見せたくなるし、SNS全盛期にはもってこい。目立つし爆発力があるけれど一過性の側面もあります。

リアルな写真は自分たちの人生を豊かにすることができます。

地味で他人から見ると目立たないかもしれないけれど、普遍的で万国共通。

どちらがいい、悪いではなく、どちらにも価値はある。

最終目的が違うから、登る山が違うだけの話です。

fhansはどちらを目指すべきでしょうか。

fhansの目指す写真は、あるご家族にはとても意味のある一枚の写真だけれど、他人から見ると何がいいのかわからない、そんなこともあるかもしれません。

わかりやすく極端な例を出してみますね。

一枚の写真があります。

他人が見ると「パパはちょっと怒っているし、ママは子供達を追いかけ回している。お兄ちゃんは走り回ってブレていて、妹さんは顔がよく見えない」と見えたとします。

これを当人たちからすると全く違う感想をもつはずです。

30年後のママがこの写真を眺めたらきっとこういうでしょう。

「この頃私たちはいつもうるさいくらいに賑やかで、毎日忙しくて必死だったけど本当に楽しかった。

こんなにヤンチャだったお兄ちゃんが今じゃあ二児の父だものね、妹のサクラはいつもお兄ちゃんの後ろを一生懸命くっついて回っていた姿が懐かしいわ。

子供たちはそれぞれ家庭を持って海外暮らしだから、なかなか会えないけれど元気にしてるかしら?

あら、そういえばこの時のお兄ちゃんに孫の〇〇はそっくりじゃあないの、この写真送ってあげようかしら…(続く…)」

はい、奥の妄想はこれくらいにしておきますが、リアルな写真からの情報量の凄さは伝わりましたか?笑

オシャレに着飾った写真では、とてもここまでの情報量は引き出せないか、引き出すのに1クッションかかってしまうのではないでしょうか。

これは「カオスな状況の撮影が良い」とか「自然体がよいのだから、ただシャッターを切ればよい」という話ではないのでご注意を。

大事なのは、「その写真がいかにたくさんの情報量を引き出してくれるのか?」ということ。

そのためには、どんな写真がファンズではいい写真なのか?

•ご家族のココロが動いている瞬間にシャッターをきる観察力

•場の空気を作る心遣い

•どういった想いで撮影にこられたのかをヒアリングし、写真セレクトに活かせるコミュニケーション

などをこれから考えていきたいですね!

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