「迷走するフォトスタジオ経営からの脱出」シリーズ009
writer < fhans yoshimi >
ヨガの先生から聞いた話をひとつ。
ヨガのクラスに初心者向けは必要なく、初心者だろうが上級者だろうが同じクラスを続けるんだそう。
なぜかというと、受け取る人によって気づくレベルが違うからとのこと。
ヨガのポーズに「気をつけ」をして立つポーズがあるんですが、これを初心者からすると「何が難しいの?」となります。
同じポーズを上級者がすると、「今日は自分の中心が定まらないな」とか「股関節につまりがあるな」とたくさんの気づきがあります。
これは上級者が日々、自分の内面やカラダを観察して自分の中に先生を持っているんですね。
初心者は「なんだ、簡単にできるじゃないか」と思っているとなんの気づきもありませんが、「自分と上級者の違いはなんだろう?」とか「このポーズの意味はなんだろう」と考えることで上達することができます。
同じクラスをしていても、それぞれのレベルにあった気づきがあるんですね。
これはヨガでなくても通じる話ではないでしょうか。
先ほどのヨガの話のように、自分の学習に対する意欲や学習方法を自ら観察、調整し、効果的に学習を進めていく学習法を自己調整学習と呼ぶそうです。
先生からここが違うと指摘されていなくても、自分自身を俯瞰し、気づき学んでいく姿勢ですね。
私たちは学生時代に「答えはこれです」「〇〇を宿題としてやって来なさい」と受け身の学習をしているので、大人になってもそれから抜け出せない人が多いそうです。
しかし大人になってもこの受け身の姿勢であることは、成長が止まることとイコールかもしれません。
自分で気づくこと=自分の中に先生を持つことが大切ではないでしょうか。
では自分から学ぶためには何が必要でしょうか?
それは、「①動機づけ・②学習方略・③メタ認知」の3つです。
①動機づけは、行動するためのエンジンとなってくれます。
仕事をそつなくこなすために頑張るのか
今月の売り上げをあげようと思って頑張るのか
目の前のご家族の人生を豊かにするために頑張るのか
目的によって湧いてくるエネルギーの大きさはずいぶん変わってくるでしょう。
②学習方法は、人によって最適な方法が異なります。
先輩たちのサポートはもちろん必要です。
しかし一番大切なのは、教えられる側が自身で自分にあった方法を選び活用していくことです。
仕事中に先輩たちのいうことがバラバラで、困ったことはありませんか?
その時こそ能動的に学ぶ練習をするチャンスと思って、自分にあった方法を探してみてください。
③メタ認知
自分自身を客観視し自己認識を持つことをメタ認知と呼びます。
メタ認知の中でも
①自分自身を客観的に観察するという段階と、
②そのうえで自分自身の学習行動を改善するという段階があります。
難しい話になってきましたね。
仕事の例を出してみます。
「どうも私は〇〇の作業が人より遅いようだ」とか「あの先輩はいつもお客様と盛り上がっているけれど自分とは何が違うんだろう?」と気づくのが①の段階。
「では作業が早い人のマネをしてみよう」とか「先輩はトークが上手いけれど、私はお客様の話を聞くことで楽しんでもらえるかもしれない」など考え試してみるのが②の段階といったところでしょうか。
この①~③の要素を持つことは、自分の中に自身を俯瞰してくれる先生を持つようなものかもしれません。
さて、あなた自身は自分の中に先生を持てていますか?
ちなみにヨガのポーズで一番難しいと言われているのは、ド派手な目をひくポーズではなく、寝っ転がっただけのシャバーサナというポーズです。
上級者にとっては豊かな時間であろうシャバーサナですが、万年初心者の私にとっては気持ちよいだけの、うたた寝時間となっています…。