「迷走するフォトスタジオ経営からの脱出」 シリーズ016
コンビニの商品棚は激戦区です。
少ないスペースにたくさんの種類の商品を並べなければならないため、厳しく管理されているんだとか。
コンビニのハサミやホッチキスが1種類しか置いていないのに、タバコは200種類近くも並べられているのはなぜでしょうか?
答えは商品が「役に立つ」を提供しているか「意味がある」を提供しているかの違いです。
ハサミは紙を切れたら、どこのメーカーでも構いませんよね。
一方タバコは、顧客にとって銘柄が提供している意味やストーリーは他で変わりがきかないものだからなのです。
コンビニのハサミのように「役に立つ」で戦うと一部の勝者を除いて、ほぼ全員が負けてしまいますよね。
(コンビニに置かれるハサミは1種類)
意味があるという観点では、どうでしょう?
人生においての「意味」は人それぞれなので、さまざまなニーズがあります。
さらに掘り下げると、テクノロジーやデザインで差別化しても、これらは簡単にコピー可能です。
でも「意味」はコピーできません。
「役に立つ」「意味がある」の差は価格にもあらわれます。
・日本のトヨタ・日産
・ドイツのBMW・ポルシェ
・イタリアのランボルギーニ・フェラーリ
これらを
・意味がある・なし
・役に立つ・立たない
で分けてみると画像のような図になります。
トヨタ・日産は「快適で安全な移動手段」を提供しています。
役には立つが、自分の人生においての意味はなし、と言うことになります。
BMW・ポルシェは役に立ち、「BMWに乗る」という意味もある。
この意味の差が国産車との数百万円の差となるとは驚きますね。
ランボルギーニ・フェラーリなどの超高級車はたいてい二人乗り、悪路に弱く、荷物もほとんど詰めません。
つまり役には立たないが、唯一無二の意味があるのです。
お金持ちはメーカーの歴史やストーリーに何千万ものお金を払っているのです。
長くなってきましたので、そろそろ写真業界での話に戻してみましょう。
写真スタジオの役に立つ、意味があるってどういうことでしょう。
役に立つ=七五三が撮れる、ニューボーンが撮れるなど〇〇撮影ができる
意味がある=スタジオがどんな想いで活動しているのか、そこに行くことでお客さまがどんな影響を受けられるのか
テクノロジー=最新の機材
デザイン=流行りの衣装や背景
といったところでしょうか。
役に立つスタジオでは他のスタジオでも代わりが効きます。
オシャレなスタジオ、最新機器のスタジオでは、すぐにコピーが可能です。
役に立つものや便利なサービスが溢れている今、私たちはどんな意味を持つスタジオを作りたいのかを考えるべき時なのではないでしょうか。