「迷走するフォトスタジオ経営からの脱出」 シリーズ021
アメリカで行われた研究で、医師にアートを見せるトレーニングをしたら誤診率が下がることがわかったそうです。
不思議ですよね!
なぜこのような結果になるのでしょうか。
私が以前読んだ「13歳からのアート思考」にその答えを見つけた気がするので、今日はその話をしてみます。
(すごく面白かったので、読んでいない方はぜひ♪)
著者の末永さんはアーティストが作品を生み出す時の流れをこう説明します。
①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ
②「自分なりの答え」を生み出し
③それによって「新たな問い」を生み出す
次にわたしたち鑑賞者がアートと向き合う時は2つの見方があるんだとか。
・背景とのやりとり(作者の考え・人生、時代背景など)
・作品とのやりとり(作者の答✖️鑑賞者の答がかけ合わさり、雲のように無限に形を変えていく)
このやりとりの中にも①〜③の流れが入ってきそうですね。
さて、ここからは私の推測ですが、医師の誤診率が減ったのはこのアート思考が関係しているのではないでしょうか?
CT画像や表面的な数字、過去の事例だけで考えるのでなく、患者一人ひとりを医師が見れるようになったということではないでしょうか。
例えば生活スタイル、性格、食事、その他にも患者が申告していないことまで見抜く観察眼や思考回路が身についたのでは、と私は予測します。
アート思考をフォトスタジオに取り入れるとどうなるでしょうか。
なぜフォトスタジオにきたのかと聞かれると、おそらく「七五三」「お宮参り」などイベント名を答えられることが多いのではないでしょうか。
その言葉の裏に、どんなご家族の想いが隠れているでしょうか?
お宮参りにきたお母さんは、もしかしたら昔ヤンチャで母親に心配をかけていて、自分の母になった姿を見せることで母親に恩返しをしたいと思っているかもしれません。(仮にもしそうであったなら、あなたはどんな家族写真を撮るのがいいと思いますか?)
七五三にきたお父さんは、もうすぐ長い出張が控えていて、しばらく娘さんと離れ離れになるかもしれません。
あるご家族は、笑顔で向かい合っている写真よりも、背中合わせに座っているけれど顔は同じ方向を向いているのが自分達家族らしいと感じられるかもしれません。
ご家族ごとの家族に気づく体験を引き出すには、アートに向き合うように、余計な先入観を持たず、ご家族を観察し、言葉を交わし、想像することが大切なのかもしれませんね。
最後はピカソの言葉で締めたいと思います。
「リアリティは君がどのように物を見るかの中にある」